おはようございます。
もうすぐ夏ですね。西日本のかたはすでに夏ですか。
この季節になると夏だけ涼しい高原に首都移転してくれないかと思う本多泰輔です。
経済効果も大きいのにだれも聞いてくれません。私、このプランを有名政治家にも進言したことがあります。でも、暑中見舞いの一文にしたためたので冗談としかみてくれなかったようです。
さて、どなたが登場するのか、本多にさえ毎回直前まで分からないお楽しみの「(樋笠)トップ(がする)インタビュー」です。
今回の被害者・・・、ではなくて、ゲストは池田 光さんです。
■デビュー15年で10冊の出版
樋笠:池田さん、本日はよろしくお願いします。最新作シリーズの、「図解 斎藤一人さん」シリーズも売れていますね。出版歴15年ということですが、まずはデビューのきっかけから教えてください。
池田:1991年、ちょうど36歳になった頃でした。当時私は企業内起業という形でコンサルティング会社をつくって数年目。昔から本を出したかったので、電波新聞社という業界紙へ売り込みに行ったんです。それなら1年間、連載を書けと。読者の反応が良ければ本にしていいという約束で。
これが毎月10数件もの問い合わせがあるほど反響があって、無事、出版デビューとなりました。
◎繁盛店接客システム―儲かる店づくりは接客から
顧客をふやし
“イエス”を勝ち取る接客ノウハウ 電波新聞社(1991年)
樋笠:本はずっと書きたいと思っていたんですね?
池田:もともと文学部出身で、コンサルタントになったのは偶然です。何を書くか、というよりは、とにかく本を書きたいという気持ちが強かったですね。著者にとっては、まず「とにかく書きたい!」という気持ちが大事だと私は思います。
樋笠:デビュー作は韓国語にも翻訳されて、順調な滑り出しでしたね。それからは順風満帆に、次から、次へと?
池田:ちゃんとした売りこみをしたのは最初の2回くらいですね。あとは、ほとんど紹介などのご縁で出版が実現しています。
■三笠書房の編集者との出会い
樋笠:池田さんにとって、転機となった、思い出の作品は?
池田:第5作目の「中村天風」です。当時、私自身が天風会の杉山彦一会長に指導していただいた実体験を交えて、自己啓発的な本を書いた最初のきっかけです。最新作の「斎藤一人」シリーズも、この自己啓発系の流れですね。この当時は、三笠書房さんの編集本部長(当時、現・副社長)との出会いがすごく大きかった。
◎中村天風 君だって、ここまでやれる!―「人生のうまみ・喜び」
を手に入れる天風哲学 知的生きかた文庫 三笠書房(1995年)
◎中村天風 自分に「奇跡」を起こせ!―毎日5分、これで運命が好転する! 知的生きかた文庫 三笠書房(1996年)
樋笠:そうでしたか。やはり編集部の方に、色々と鍛えられたのでしょうか。
池田:一章ごと、できたら送ってきなさいと言われまして。送ったら褒めてくれるんですね。それでちょっとアドバイスをくれる。それがうれしくて、また一章書いて、送って。この繰り返して、2ヶ月くらいで一気に書き上げました。
樋笠:ほめ上手なんですね。
池田:いろんなアドバイスを頂きました。いまでも一番印象に残っているのが、ビジネス書の売れる法則です。まず、ビジネス書には、必ず読者が「なるほど、なるほど」という部分がなければ駄目だということです。これで2〜3万部売れる。さらに「なるほど、なるほど、そうか!」という部分があれば、4〜5万部売れると。
なるほど、なるほど、と納得する部分だけでなく、思わず下線を引きたくなるような「そうか!」という気づきの部分をいかに盛り込むかが勝負だと。そう教えてくれました。「そうか!」がある本は、他人に紹介したくなるらしいです。それで口コミで広がっていくというんですね。
樋笠:なるほど・・・じゃあ中村天風の本も、そのアドバイスの効果があって相当売れたんでしょうか?
池田:初版で4〜5万部、その後、10,000部、5000部単位で増刷されて、両書とも10万部となりました。10年かけたロングセラーです。
樋笠:それはすごいですね。
池田:このあたりの作品は、ちょうど阪神大震災のあと、被災した自分を元気づけるために仕上げたので、これも印象に残っています。私の本で、初めてコンビニに並んだのを見て感慨ひとしおでした。やはりコンビ二は売れ行きが全然違いますね。
■ニッチなテーマで、1万部を目指す
樋笠:これまでいろんなタイプのビジネス書を出されていますが、何か売れるための法則というか、経験から学んだことはありますか?
池田:確かに10万部も売れると、うれしいには違いないんですが、こと実際のビジネスに繋がることを考えると、1万部くらい売れるのがちょうどいいと思います。
樋笠:えっ?売れれば売れるほど、反響が大きいと思っていましたけど。
池田:いや、そうではないんです。例えば斎藤一人さんの本は、半年で8万部売れましたが、問い合わせはサッパリですね。読者カードを見ても「面白かった」程度の感想が多くて。
それに較べて、今まで出したもので1万部くらい売れているものは、非常にニッチというかターゲットが絞られていますので、これはすごく問い合わせがあるんです。1万人の営業マンが、自分の知らないところで宣伝に動き回っている、という感じでしょうか。
私はコンサルタントが書くなら、誰でも買うような一般的なテーマよりも、読み手を選ぶようなニッチな分野をお勧めしたいです。
■忙しいコンサルタントが短時間で執筆するコツ
樋笠:なるほど。専門的なテーマがいいんですね。ほかに、例えば執筆していくうえでのコツなどありましたら、教えていただけますか?
池田:おすすめなのが「8×8=64の法則」です。これは私が勝手に編み出した方法なんですが、まず、準備として関連するテーマの資料を何冊か読んで、インデックスを作っておく。
そして執筆するテーマについて8章を決める。さらに1章ごとに8項目の小見出しを考える。あとは単純作業です。1項目ごとに、さきほどのインデックスや資料をあてはめながら、原稿用紙にして4〜5枚づつまとめるだけ。4〜5枚×8項
目×8章・・・で300枚位。これで完成です!
樋笠:すごくコンサルタントっぽいといいますか、合理的に書いていらっしゃるんですね。
池田:自動化というか、スピーディーにやらないと、書く作業がしんどいんです。私はオートメーション化できる小さいテクニックは、色々もっていますよ。正味16日で書いたこともあります(笑)。
もちろん早いだけでなく、さきほど申し上げた「なるほど、なるほど、そうか!」を必ず盛り込むように意識しています。すると、編集者からも「いい文章ですね」と反応が返ってきますね。
樋笠:早くて、上手ければ、これ以上の武器はありませんね。表現するためのテクニックは、なにかありますか?
池田:当たり前のことを、当たり前に書いたのではダメですね。こういう本は、読んでいるとすぐ苦痛になります。いかに、当たり前のことを、違った角度から、今までに気づかなかった角度から言えるかが大切ですね。このあたりの発想が、なるほど、そうか!という感動につながっていくのだと思います。
■ヤフーオークションへ著書を出品?
樋笠:最近はインターネット書店が無視できない存在になっていますが、何か対策などやっていらっしゃいますか?
池田:キーワードにこだわっています。検索される訳ですから、売れるための、旬のキーワードを盛り込むようにしています。例えば「頭の使い方」や「非常識」など。タイトルづくりは出版社側の権限ですけど、自分がこだわっている部分は、分かってもらうように、食い下がって説得するようにしていますよ。
樋笠:それはいかにもインターネットらしい視点ですね。
池田:それから著書をヤフーオークションへ出品したこともあります。無料でプレゼントするから、必ず書評を書いてください、と。あとでペンネームでチェックして。ちゃんと書いてくれましたよ。
樋笠:書評といえば、けっこう、批判もあったりすると、正直落ちこんだりしませんか?
池田:いや、賛否両論がある方がいいんですよ。星5つが8割、星1つが2割、というのが最高ですね。これは物議というか論争になって盛り上がっている証拠です。酷評もあってOKです。
しかし星3つというのが一番ガックリきますね。私にとっては平凡という評価が最悪です。正直、自費出版なんかは、ほとんどが平凡という感じがします。平凡な内容が2、3ページ続くと、読むのがつらくなります。
樋笠:なるほど。けっこう酷評も歓迎とは、さすが腹が据わっていますね(笑)。では、最後に。これから出版を目指すコンサルタントの方にアドバイスをお願いできますか。
池田:コンサルタントの仕事に生かすためには、10万冊のベストセラーを出す必要はありません。1万部でも確実にターゲットに届く、役立つ本を書けばいいと思います。それからテーマは、「ほどほど古い」のが一番ダメと言われます。
求められているのは、最先端な新しいテーマか、すっごく(30年以上)古いか。古いとは歴史から学ぶというものです。出版社の方は、さすがに売れる本を出し続けているプロですから、よく
アドバイスを聞いて味方につけることが大事ですね。
樋笠:池田さん、ありがとうございました!
■まとめ
さすが自己啓発書の三笠書房ですね。「なるほど」と納得させる本づくりなんて頭が下がります。ついでに三笠の文庫の初版が4万部ということがわかりました。P社より力入ってますね。
P社もそうらしいですが、文庫のコンビニ扱いは年々増加しているようです。コミックとパチンコの雑誌ばかりかと思ってたら、ビジネス系も軽くみられないくらいの規模になっているそうです。といっても文庫新書だけで単行本はまだまだですけど。
ただ、本がコンサルティングに結びつかなかったのは、部数が多かったからではなくてテーマが「中村天風」「斎藤一人」だったからじゃないでしょうか。テーマが「池田光さんに教わった・・・」だったら山のようなオファーがあっただろうと思います。
いっぺんやってみていただきたいと思います。
さあて、次回はひとつ読者の立場からビジネス書を見てみましょう。己の半生をかけてしたためた入魂の一作を一体読者はどのような気持ちで手に取っているのでしょう。果たして何をもって購買の基準としているのでしょうか。そして本当に最後まで読んでいるのでしょうか。これはすなわち第1の読者である編集者の心象風景でもあります。
ご期待ください。
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◆◇今週のおすすめビジネス書◇◆
『図解 斎藤一人さんに教わった「強運をよぶ本屋さん」の成功法則実践ノート―「変な店長」清水克衛さんが実践している。繁盛をよぶ「非常識」な頭の使い方!』イースト・プレス (2005/06)
《著者プロフィール》
池田 光(いけだ ひかる)
有限会社プロセスコンサルティング 代表取締役
1955年生まれ。執筆や出版を手がける、有限会社池田事務所を主宰。出版ではサイト「本心庵」を立ち上げている。「経営観」は、エンパワーメントで知恵と元気を掘り起こす経営を…。「人間観」は、X理論・Y理論なんて、甘っちょろい。超ウルトラY理論で行こう、というもの。著書に『自分の夢を実現できる人、できない人』
『中村天風 自分に奇跡を起こせ』『中村天風 幸運を呼ぶ魔力』、『風よ、言葉よ、ありがとう』『専門店の人材育成』『繁盛店接客システム』などがある。どの本も思い出深いが、たとえば文庫本の『中村天風 自分に奇跡を起こせ』は初版5万冊で、コンビニエンスストアに並んでいるのを見たときは嬉しかった。この本を、長者
番付ナンバーワンの斎藤一人さんが気に入ってくれ、彼のグループに2千冊購入してくれるなど、多くの企業でまとめ買いをしていただいている。
【参考コラム】
『他人の脳ミソを混ぜ合わせて、ブレークスルーの知恵を生もう!』
『コンサルインタビュー・池田 光』
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