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◆◇　　　　　　　　　　　　　第１３４号【04/08/04】　　　　　　　　　　◇◆
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１．『“自社の強みは何か？”早く的確に知る方法は…』鬼頭　剛

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《今週のテーマ》


『“自社の強みは何か？”早く的確に知る方法は…』


皆さんは競合に対抗できる「自社の強み」をご存じですか？その強
みを営業戦略に活かしているでしょうか？

今の飽和市場の中では、競合に対する自社の強み、つまり高い優位
性をしっかりと持ち合わせていないと、安定した売上と利益の確保
が難しいのではないでしょうか・・・。

「市場シェアの獲得よりも、顧客シェアの獲得を！」「顧客ロイヤ
ルティを高めて顧客離れを防ごう！」・・・。

低成長時代を乗り切るためのマーケティング指針として、このよう
な『顧客』にフォーカスする戦略の重要性がさまざまに取り上げら
れています。

たしかに、一般的に顧客のリピート購買を促すことに較べた場合、
新規顧客を獲得するには５倍の投下コストが必要であると言われて
おり、開発コストが制限される中小企業にとっては、適正な戦略と
言えるでしょう。

では、この戦略のポイントは何でしょうか？

顧客をつなぎとめ、より多くの支出を自社にもたらしてもらうため
のサービスとコミュニケーションが重要だということは分かります。

ただ、いくらオマケがあっても、いくら世間話が多くても、それで
顧客ロイヤルティと言えるまでの関係性は構築できません。

顧客はあなたの会社の商品をオマケを期待して購入しているのでし
ょうか？あなたの会社の販売員との世間話を期待して足を運んでい
るのでしょうか？

真の顧客サービスは、取扱商品に関連して顧客が欲求する付加価値
の提供であり、真の顧客コミュニケーションは、取扱商品に関連し
て顧客が欲求する情報の交換ではないでしょうか。

顧客はあなたの会社の商品に関心を持ち、購入して顧客になったの
であって、全く別のジャンルの商品を欲する時は別の会社の顧客で
す。

あくまで自社商品に関連するサービスとコミュニケーションにフォ
ーカスすることが重要でしょう。

ちょっと前置きが長くなってしまいましたが、顧客との強力な関係
性を構築していくためには、顧客が自社に期待していることを発見
し、それを深めて顧客に提供することが必要です。

それこそが顧客囲い込み戦略のコンセプトとなる「自社の強み」で
あって、顧客管理施策であるＣＲＭ（＝カスタマー・リレーション
シップ・マネジメント）も、強みを活かしていなければ単に顧客接
触回数を増やすだけのものに終わってしまいます。

ではテーマ本題の「自社の強みを知る早く的確な方法」ですが、そ
れは『顧客に聴く』ことです。

「えっ、そんなこと・・・。分かってるよ。」と思われるかもしれ
ませんが、意外に顧客から自社に対する「良い部分」は聞いていな
いのではないでしょうか？

顧客は何か理由があって自社商品を購入してくれているわけで、そ
の理由こそが他社ではなく自社にある顧客便益のはずです。

あらゆる市場情報を収集し、ＳＷＯＴなどの分析を駆使して自社の
強みを探り出していくという手段ももちろんありますが、

「なぜ自社商品を購入してくれているのか」
「なぜ自社に来店してくれているのか」

を顧客から聴き出せば、自社を選んでくれた事実としての競合優位
点が発見できます。

ある家電チェーンで、売上低迷を打開するための営業戦略を立案す
るにあたって自社の強みを探るために、ある１店舗で来店客アンケ
ート、ある１店舗で上位顧客への電話アンケートを実施し、利用し
てくれている理由を聴き出したところ、ある特定の傾向が見つかり
ました。

この傾向をより満足してもらうために強化して戦略コンセプトとし
て実行し、３ヶ月後から前年を上回る顧客来店率と購入率が得られ
ました。

これは一例ですが、顧客との関係性強化のためには、【顧客便益＝
自社の強みの強化】でリレーションを深めることが基本要件です。

顧客とのコミュニケーションの中で常に「なぜ」を聴き出す意識を
持ったり、また調査票や電話でのアンケートを実施したりという手
段で自社の強みを特定することができますので、強みが不明瞭な場
合は試行されてみてはいかがでしょうか。

ただ、顧客に不満を与えるような聴き出しやアンケートはデメリッ
トになってしまいますので、その点はご注意ください。

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《今週のコンサルタント》
鬼頭　剛（きとう　たけし）
有限会社シーメイク・カンパニー　代表取締役

１９５９年生まれ。総合広告代理店のマーケティング部門、制作部
門に勤務し、マーケティング戦略立案、広告計画・販売促進計画立
案、広告・販売促進実施ディレクションに従事した後、１９６６年、
（有）シーメイク・カンパニーを設立。マーケティング業務全般の
エージェント、マーケティング・コンサルタントとして現在活動中。


《私のお勧めビジネス書》

『コトラーのマーケティング・コンセプト』
著者：フィリップ・コトラー　　出版社：東洋経済新報社

マーケティングは今や企業内の一部門が管理するだけのものではな
く、経営管理にまで体系化が進んでいます。マーケティングの神様
と呼ばれる著者が、８０のキーワードについて分かりやすく最新の
解説を行っている、経営者のハンドブックとして必携の一冊（？）
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《編集後記》
今週のコンサルタント鬼頭氏は、総合広告代理店出身ですので、ブ
ランディングやターゲット選定、プランニングを得意としています。
“この商材”を“どの媒体を使って”という具体的なプランニング、
センス、そして経験に基づいたマーケティング戦略立案により、経
営者の多大なる信頼度を獲得しています。また、コンサルティング
テーマは「マーケティングの現場で培った体験的ノウハウを提供す
ることが第一の身上」です！“御社の強み”見つけてみませんか？
（にしだ）

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