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第040号 『メルマガの原点に還り
        “読者の素朴な疑問”にお答えいたします』

■40といえば


おはようございます。
本多泰輔です。

このメルマガも早41号、40回を越えました。
古来、40といえば「不惑」。

これからも惑うことなく本メルマガの使命を果たさねばなりません。
読者の声を反映することこそ、ネット媒体の使命です。

ここはひとつメルマガの原点回帰のために、読者の抱いている出版に対する素朴な疑問をお聴きし、本メルマガのありかたを再確認したいと思います。

ニュース番組で「困ったときは、とにかく外に出て街頭インタビュー」といいますが、決してネタ切れの苦し紛れに、近くにいた人に聞いてみたというようなたぐいではありません。

自分のところには聞きに来なかったじゃないかとお疑いを覚えておられるかた、素朴な疑問ですから、素朴な人に聴きました。


■企画書は郵送がいいのかFAXがいいのか?


いきなり素朴です。

編集部に企画書を送るのに、郵送かFAXかで心証がちがうのではないかと、不安を覚えていらっしゃる、乙女のように震える心が感じられるようです。

いじらしい。

ご本人にとっては気合のこもった企画書ですが、受け取るほうはDMのひとつにすぎません。

一般宛のFAXDMだと「うちのFAX用紙使いやがって、勝手に送ってくんな!」と怒鳴られますが、編集部にとって企画書は原則来て迷惑なものではありませんので、苦情が来る心配はしなくても大丈夫です。

封書ですと、なかなか開きませんので、一、二枚の企画書であればFAXのほうが有利かもしれません。

ただし、10枚20枚と嵩張るものはさすがに迷惑ですから、その辺は常識の範囲で。

メールアドレスがわかればメールでもOKです。

ただし、添付ファイルはウィルスを警戒するため、メール本体に収まる程度の企画書であることが条件です。

企画書にあまり自信が持てず、ご自身の参考資料や過去に書いたものを見せたほうが効果的と思われるのであれば、封書でどーんと送ってもいいでしょう。

開封させるためには、後で「見ていただけましたか」と軽く電話を入れてみればいいです。たいてい見ずにそのへんに積んでありますが、電話をもらうとさすがに捜して開きます。

持込みを受け付けていない出版者の場合、電話を入れても「持ち込み企画は受けていない」といわれるだけですが、それでも電話で話したことがきっかけで企画が進んだりしたケースもあったので、ダメモトでもフォローはしたほうがいいと思います。


■企画書は何枚くらいが適当か?


企画書の要諦は「一目でピンと来るもの」であることですから、一枚が理想です。

一枚でわからないというのは、それ自体企画の弱点なわけですが、そうはいっても不安だという人のために、経験的に申し上げますとだいたい次のような感じです。


1.企画書を手に取る。
2.タイトルを見る
3.著者の名前と略歴、資料類を見る
4.目次(または内容の概略)を見る
5.興味を惹かれたらその続きを見る


1〜4まで多くても3枚くらいでしょうか。
資料類は膨大であっても一応目を通します。

最近は、パソコンで画像がつくれるため本の装丁デザインまでつくって送ってくれる人もいるようです。別にあっても害はないですが、なくてもマイナスではありません。

ただ、ビジュアルは企画としても重要な要素ですので、図解ものや理解促進のために特徴ある紙面のアイデアがある場合には、企画書にイメージ図柄を示しておくことは相当効果があります。


■企画書が編集者の目にとまるには?


封筒が光り輝くとか、キャバクラ割引券同封とか書いてあったら開きますね。私なら。でも、編集者が女性の場合も多いですからね。

やはり、直接編集者と会って渡すのが一番だと思います。

どうやって会うかについては、以前にも書きましたが、EまたはFグループの出版社は、直接電話なりメールなりで面会を申し込めば比較的楽に会うことができます。

中堅・大手の場合には、だれか紹介者がいればベストですが、いなければ同様に電話でチャレンジしてみると意外になんとかなるものです。

ただし、大手はかなり狭き門ですから、断られるのを覚悟の上で。

企画書がなんとか編集者にわたったとして、そこで目にとまるかどうかはテーマ次第ですが、企画書の書式も大切ではあります。

あまりわけのわからない書かれかたをしていては、目にとまるどころではありませんから。

とにかくタイトルはしっかりつけましょう。


■原稿作成から出版までの期間は?


企画が決まってから出版までの間隔は、普通5ヶ月くらいです。
原稿の締切りまで3ヶ月くらいはくれるはずです。

営業にスケジュールとして出すのは、原稿の一部が入ってからですので、入稿は早くなっても一向に構いません。

早いほうが好感を持って迎えられるのはどこもいっしょです。

逆に遅れたら出版が流れるかというと、そういうことはまずありません。少々の遅れは待ちます。

また、書かない著者から原稿をとるのは編集者の本業です。

しかし、初めのうちは締切りよりも早く出して、編集者とコミュニケーションをとったほうが何かとよいと思います。


■版元は大手がいいか、中小が得か


総合的判定としては大手のほうが有利です。
しかし、むしろ小さい出版社のほうが有利な場合もあります。

さんざんここでも書きましたが、発行点数の多い大手、中堅はひとつの本を長くケアすることができません。

書店のスペースには限りがありますから、新刊が毎月20冊以上出てくれば、売れない本はすぐに店頭からはずされてしまいます。

実際、毎月30点くらいの新刊を出している出版社の本で、一月後に店頭に残っているのは3〜4点、調子がよくて5〜6点です。

その点、ちいさいところは発行点数が少ないですから、大手・中堅の大量点数に押されながらも長い期間店頭に残り続けられます。

短い時間に大量の読者に出会うことをチャンスと見るか、長い時間の中で少しずつ読者を増やしていくことがいいか、出版のねらいと著者自身の仕事のスタイルにより見極めてください。


■年に何冊も出している人はどうしているのか


いますね。毎月のように新刊を出す高名な著者。一体いつ書いているのでしょうかね。素朴な疑問になるのも当然です。

ま、多くの場合分業ですね。

「ゴルゴ13」の著者さいとうたかを氏は、決して一人であのコミックを制作しているわけではありません。コミックの世界は、ほとんどが共同作業で作品がつくられています。

著者がペンを入れるのはほんのわずか、場合によっては企画会議に出るだけというようこともあるやに聞きます。

コミック制作よりははるかに手間の少ない書籍で、分業すれば一度に数冊進行することは不可能ではありません。


■よい編集者に巡り会うためには


著者にとってよい編集者とは、腕のよしあしよりも相性でしょう。

腕は悪くても、著者をきちんと評価してくれる、気持ちをよく理解してくれる編集者とパートナーを組んだほうがチャンスは広がります。

何人かの編集者に企画をボツにされても、ひとりの理解者に会えればそこからすべてはスタートします。

よい編集者にめぐり合うためには、やはりたくさんの編集者に会うしかありません。相性のよい人は、だいたい初対面でわかりますから、出会うまではあきらめずにたくさんの出版社を巡りましょう。


■雑誌記事執筆の意義は


まず、雑誌に寄稿することでブレイクしようとは考えないことです。

雑誌でブレイクしようと思えば、20万部以上発行の媒体(雑誌のこと)に執筆しなければなりません。

20万部以上のメジャーな雑誌に載せるためには、ある意味単行本出版よりも高いハードルを越えなければなりません。

これはこれで十分ゴールとして設定できるレベルです。

出版することを目的に雑誌に執筆するのであれば、小部数の専門誌をねらい、著者としての実績をつくることが肝心です。

専門誌はだいたい小部数ですが、業界のキャリアがあれば割合新人著者も歓迎してくれますので、そういう媒体で着実に実績をつくり、企画を売り込むときに著者実績としてコピーを添付すれば説得ある資料になります。

原稿づくりの訓練の場としても、少ないながらも原稿料をもらって経験を積めるのですから有意義です。

大いに執筆すべきだと思います。


■まとめ


素朴な疑問に対する答えの多くは、すでにバックナンバーに書いたことだと思いますが、書いたから読んだはずだは、著者の勝手な思い込みにすぎず、貸した金は返すはずだほどの現実味もないことですから、改めて関心の置き所を教えていただいた思いです。

読んだことを全部覚えていられたら、いま書店に並んでいるビジネス書の99%は不要のものになってしまいます。

さて次回は、「企画はこうして決まっている。第2回実況編集懐疑」・・・じゃなくて「会議」です。

お楽しみに。



    《編集後記》
 
素朴な疑問、いかがでしたか?私自身、本多さんとずっとお付き合いして、なおかつ出版に成功したコンサルタントのお話も10名近くお聞きしましたが、単に「耳年増」なだけなんですね。そういう意味で、私自身も素朴なQ&Aを「なるほど」って読んでしまいました。やっぱり餅は餅屋。引き出しが多いんだと再認識しました。(発行者:樋笠)



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出版プロデューサー/本多 泰輔(ほんだ たいすけ)

プロデューサー・本多泰輔氏は、ビジネス出版社(版元)で20数年の経験をもつベテラン編集者から、出版支援プロデューサーに転身した人物です。その考え方について詳しく知りたい方は、本多氏編集のメールマガジン『コンサル出版フォーラム!本はあなたをメジャーにする』のバックナンバーをご一読下さい。








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