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第059号 『出版に成功したコンサルタントに聞く
         〜トップセールス、の横田雅俊氏インタビュー』


こころよく
我にはたらく仕事あれ
それを仕遂げて
死なむと思う

おはようございます。
本多泰輔です。

上記の短歌は石川啄木の作。啄木には意外に仕事の歌が多くあります。というより仕事にまつわる思いを率直に詠った人は啄木くらいじゃないでしょうか。自己愛のもの凄く強い啄木ですから

一度でも
我に頭を下げさせし
人みな死ねと
祈りてしこと

なんて歌もありますが、その心情もわからないことはないですね。

啄木は、文芸は生活に基づく地に足の着いたものでなければならないと、彼なりの文芸革新を称えた人ですからこうした勤め人の悲哀も歌の素材になったのでしょう。

当時興隆し始めたプロレタリア文学の流れを受けたのでしょうが、なぜか一世を風靡したプロレタリア文学群に啄木ほど現代人を共感させる作品はないと思います。それは啄木の歌の悲哀は生きることの悲哀だからでしょう。

啄木がもう少し長生きして生前に活動を認められていたら、感動のビジネス文芸が誕生したかもしれません。

そんなわけで、今回も樋笠社長渾身のビジネス感動巨編の核心に迫るインタビューです。


■トップセールスの秘密とは?


樋笠:おはようこざいます、本日はよろしくお願いします。早速ですが、3月4日に、第一作目が発売されたばかりですが、今の感想からお聞かせいただきますか?

【1000人のトップセールスに学ぶ「売れ続ける会社」の営業法則】
 


横田:やっと形になったな、というのが正直な感想です。構想から、ちょうど1年かかりました。そもそもの動機は、研修やコンサルティングをやっていて、限られた人にしか伝えられていなかったので、全国的により多くの人へ考えを伝えたかったというのが一番です。

また現在の「営業本」は、自分の個人的な経験や体験をベースに書かれているものがほとんどで、今回のように1000人のトップセールスへのアンケートを客観的に書いたものはなかったので、ぜひ世の中に出したいと思っていました。


樋笠:1000人のトップセールス、ですか。集まったらすごいパワーを発揮しそうな集団ですね。売りまくりそうで(笑)。横田さんご自身も外資系企業で、世界8カ国の2300人中のトップセールスとなった経験があると聞いていますが、アンケートの結果を見て、いかがですか?


横田:新しい発見があった部分と、ぼんやりとそうじゃないかな、と思っていたことを再確認できた部分と、両方ありましたね。

実はトップセールスの方の多くは、自分がなぜトップセールスとして成功できたかを、あまり振り返って考えていないんですね。この結果をみなさんにもフィードバックさせて頂いたんですが、私と同じように、改めて気づきましたという声が多かったように思います。

最近、実際のインタビューを記事にした新しいメルマガも発行したので、こちらも併せて読んでいただければ嬉しいです。

「トップセールス千人斬りインタビュー」


■出版社よりも、編集者を見ろ


樋笠:今回の出版にあたっては、どのように計画されましたか?


横田:巻末の謝辞にも書きましたが、出版プロデューサーの土井英司さんへ構想段階から関わっていただきました。私もまったく初めての経験で、どの出版社に持っていったら良いかなど分かりませんでしたので、お任せしました。

ひとつだけ要望を出したのは、できるだけ自分たちの考えを、ストレートに伝えて盛り込みたい、ということです。売るために、こう脚色してよ、といったことは極力避けたいと思ったからです。

実際には原稿を書くまえの企画段階で、出版社に当たってもらいました。そこで5社からのオファーをもらって、5社の編集者の方と実際に面談して決めました。


樋笠:それは順調な滑り出しですね。選定上、土井さんからもアドバイスをいただいたんですか?


横田:会社よりも編集者を見ろ、と。エース級の編集者か、そうでないか、ビジネス書や営業系の本に見識があるか、などが判断材料でした。実際にお会いして、編集者によってはドロ臭い営業モノを望む方もいらっしゃって、ちょっと合わないな、など。


樋笠:最終的にはディスカヴァーさんに決まったようですが、何が決め手になったんでしょうか?


横田:5社とも条件自体は良かったですし、私自身、あまりこれで儲けようとは思っていなかったので、出版条件で決めた訳ではありませんでした。

どの編集者さんも、私の経歴、実績、今回の出版の企画内容などヒアリングされるのですが、ディスカヴァーの千葉さんがもっとも的確に質問されたと感じましたし、その場でもっとこうしたら面白いなど、発展的なアイディアをいただけたことが決め手になりました。この方だったら私にないものをもっと引き出してもらえると思ったのです。


■トップセールスの普遍的な法則


樋笠:なるほど。やっぱり会社の看板も大事でしょうが、最後は編集者次第、なんですね。出版が決まって、執筆のほうは順調に進みましたでしょうか?


横田:土井さんからは10日もあれば書けるよ、と言われていたんですが、実際には3週間くらいかかってしまいました。とくに仕事をセーブしたりとかはせず、みんなが帰ったあとに夜、会社で書いたり、土日にオフィスにでて来て書いたりしました。完成したあと、2回書き直したので、プラス2、3日です。


樋笠:執筆上でとくに心がけた点はいかがでしょうか。


横田:アンケートの数字をベースにしていますので、まずそれが客観的でわかりやすいことを心がけました。次に、その数字から導き出されるメッセージを吟味しました。

とくに「トップセールスに学ぶコンピテンシー15の法則」は、アンケートから読み取ったたくさんの事実から、こだわって厳選したつもりです。こういう場面ではこうしろ、という表面的なテクニックでなく、普遍的な法則として伝えたかったのです。


樋笠:いま手元に完成した本がありますが、装丁もオシャレですね。


横田:白とブルーのカラーリングと、中心のアクセントがどらえもんに見えるようで、「どらえもん本」と言われています(笑)。ディスカヴァーさんにお任せだったんですが、上がってきたのが良かったので即OKでした。

狙いとしては、泥臭い営業本は女性が手にとりにくいので、女性でも若い学生の方にも読んでいただけるように、きれいでソフトな印象にしたかったのです。


■マスコミ、雑誌での反響


樋笠:ディスカヴァーさんの本はセンスを感じますよね。発売したばかりですが、プロモーションはいかがですか。


横田:つい先日、プレジデントと、ビーイングに紹介されました。ほかにいくつも雑誌掲載が決まっています。マスコミや雑誌へのパブリシティを重点的に行っているんですが、反響は良いですね。やはり1000人のトップセールスという切り口が今までになかったですし説得力があると評価いただいています。


樋笠:まだ1ヶ月も経っていないのに、順調な滑り出しですね!


横田:雑誌やメディアの問合わせがかなり来ているので正直驚いています。また読者の方からも感想のメールをいただいたり、手ごたえを感じていますね。

瞬間的に売れるような感じでなく、会社の本棚に長く置いてもらって、新人の営業が入ってきたら必ず読むようになってくれたら嬉しいと思います。


■読み手側から自分を見つめなおす


樋笠:ロングセラーになれば良いですね!では最後になりますが、これから出版を目指しているコンサルタントの方へアドバイスをお願いできますでしょうか。


横田:本を書いて一番よかったと思うのが、自分の頭がさらに整理できた、と感じることです。とくに「人に伝わるように考え直す」ことの重要性を改めて実感
しています。

今回の執筆を通じて、プロデューサーや編集者からたくさんのアドバイスをいただきましたが、それはまさしく読み手から見た視点だと思います。メッセージを受け取る側の角度から、自分の考えを整理できたことが、本当に貴重な経験となりました。

自分が書きたいから、という動機も大事ですが、読み手にとってどう受け取られるのかを考え直すきっかけにできれば、より出版の経験が活きてくると思います。


樋笠:受け取る立場から自分を見つめなおす・・・。これはコンサルティングや研修をする立場でも、つねに大事な視点ですね。非常に参考になるアドバイスをありがとうございました!

横田さんの著書が、全国で営業に苦労されているみなさんに役立つことを願っています。


■まとめ


再び本多です。

そうですか。ディスカヴァー以外の4社の編集者のみなさま、もっ と的を射た質問をしましょうね。

ま、しかし編集者の能力というのは測りがたいものです。

マネジメント知識があるに越したことはありませんが、著者並みの知識を持っている必要はありません。持つべき知識とスキルは別のものです。

また、過去にいくつもベストセラーを出したといっても、それは多くの場合たまたま「担当した」だけに過ぎません。

編集者のタイプはプロデューサー型と実務型に別れます(本当は両方あったほうがよいのは言うまでもありません)が、企画力があるプロデューサー型は実務能力に欠ける場合があり、実務能力型の編集者は地味なのでエースにはまずなれませんが、編集実務能力が弱いと足腰の強い本が出来ません。

今月号の「文藝春秋」に作家村上春樹氏がある編集者についての思い出を書いていますが、「編集者」なる者の業のよくわかる一文です。裏方としての矜持を持ちながらも、自ら表現者でありたい、あるいは文化の仕掛け人になりたい、という相矛盾するものが同居し相克し合うのは人の業なのかもしれません。

まあ、編集者とは煮え切らない輩なのです。

ともかくも、よい編集者というのはすべての著者にとってよい編集者です。一方、あなたにとってだけ、よい編集者もまたよい編集者です。

誰(た)が見ても
とりどころなき男来て
威張りて帰りぬ
かなしくもあるか

というような人も多くのいるのが出版業界ですが、よい編集者に巡り合うまであきらめずに頑張ってください。

ではまた来週。

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◆◇今週のおすすめビジネス書◇◆

【1000人のトップセールスに学ぶ「売れ続ける会社」の営業法則】
著者:横田 雅俊  出版社:ディスカヴァー  価格:1300円


工学部を出て設計士として活躍後、外資系企業の営業職に転身。「最年少」「最短」「最高」記録を更新し、世界的トップセールスとなる…。そんな異色の経歴を持つ著者が初めて明らかにする「売れ続ける」営業術のすべて。本書の最大の特徴は、350社1000人以上の優秀な営業マンやマネジャー、経営者に徹底的なヒアリングを行うことにより、トップセールスと呼ばれる人たちの行動特性(コンピテンシー)や手法から人材育成術に至るまでを徹底的にデータ化したことにある。

「優秀な営業マンは、一日のうちどれだけの時間を営業に使っているか?」「トップセールスの営業トークは、どこが違うのか?」「若い人材を育てるためにマネジャーに必要なスキルは何か?」「売れ続ける仕組みを作るために、経営者やリーダーは何をすればいいか?」…

中小企業から巨大なグループ企業まで共通して問題となりやすい、こうした課題を糸口に、「売れ続ける営業マン」「伸び続ける会社」となるために必要な考え方とノウハウを具体的な事例を交えながら解説する、待望の営業指南書。営業マンはもちろん、管理職や経営者も読んでおきたい一冊。

出版記念セミナー!『トップセールスの仕事術』(4/26 東京)
→ http://www.carner.co.jp/seminar.html#03


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《著者プロフィール》

横田 雅俊(よこた まさとし)
株式会社カーナープロダクト 代表取締役

長野県生まれ。工学部卒業後、設計士として活躍。その後、外資系ISO審査機関にて営業職を経験。「最年少」「最短」「最高」記録を更新し、世界2300人のトップセールスとして、東京本社マネージャーに就任。株式会社カーナープロダクト設立。代表取締役就任。現在に至る。理論主義を否定し、実践重視の営業戦略構築、営業トレーニングに定評。

《参考コラム》
『半袖のYシャツを着る人は売れない???』




    《編集後記》
 
トップセールスは、自分がなぜ成功したのか振り返って考えていない。この言葉が印象に残りました。実際にこの本を読んでみると、決して奇抜なことが書いてある訳ではなく、一流の人は、当たり前と言われてなかなかできていないことを、キッチリやっているのだと改めて実感しました。

知っている事と、やっている事との違い、ただやっている事と、目的意識をもち徹底してやっている事の違い、をあらためて考えさせられました(発行者:樋笠)





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出版プロデューサー/本多 泰輔(ほんだ たいすけ)

プロデューサー・本多泰輔氏は、ビジネス出版社(版元)で20数年の経験をもつベテラン編集者から、出版支援プロデューサーに転身した人物です。その考え方について詳しく知りたい方は、本多氏編集のメールマガジン『コンサル出版フォーラム!本はあなたをメジャーにする』のバックナンバーをご一読下さい。








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