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第116号 著作権の罠』

おはようございます。
本多泰輔です。

ゴールデンウィークですね。いまメルマガなんて読んでる人、少し寂しくないですか。私はすごく寂しいです。

前回は前置きが長くて本論に入れず終わってしまいましたので、今回はいきなり本題です。

なお、前回同様ここに書いてあることは一部私見を含んでおりますので、「出版メルマガに書いてあったから」と軽率に行動することは避け、法的な問題に対しては専門の弁護士等に相談した上で判断してください。

まず訂正です。

前回「イラスト、写真、オリジナル性の高い図表などは引用ということは不可能なので、転載ということになります」と書きました。

誤りでした。すいません。

イラスト、写真、絵画も引用は可能です。引用が可能ということは、引用の要件が整っておれば無断で自由に使うことも許されます。

前回、イラスト、写真について記したときは、もっぱら「飾り」または「説明の補助的な図解」を念頭に置いていましたが、報道、批判、研究などの対象として絵画、イラスト(漫画も含む)、写真を扱う場合に、その現物を引用することは、引用要件を満たす形式が整っておれば可能です。


■何がどうなると著作権侵害となるのか


では、他人が書いたマナーの本にセンスのよいお辞儀のイラストがあったから「これ、いい!」と出所を明示し、引用部分を明らかにした上で掲載してしまうことができるでしょうか。

その場合、果たして「お辞儀のイラスト」が本論の研究・批判の対象であるかどうか、その目的が正当かどうかが問われます。

もし本のテーマが『ビジネスマナーとイラストの研究』であれば引用として認められるでしょう。しかし、『ビジネスマナーのポイント』なるテーマで、お辞儀の角度は30度という説明のためにイラストを使用したなら出所を明らかにしても引用といえるか。

イラスト自体は絵画同様著作物ですから、編集現場では他の本からイラストを抜いて使うということはまずしません。この場合、イラストを書いた人に改めて依頼するという方法をとるのが普通です。

ただこれが引用の範囲を超えるのかどうかは、誰かに訴訟起こしてもらって確かめるしかないかもしれません(あるいは判例があるのか)。私は御免蒙りますけど。やはり「公正な慣行」から外れてるように思いますので。

絵画に関しては、有名な判例があります。ある版元が藤田嗣治の画集を出版しようと藤田の遺族に頼み込んだのですが、どうしても了解をもらえず、苦肉の策で版元は「藤田作品の研究書」という形式で本を発行しました。

つまり藤田の絵画は「引用した」、だから掲載の許可は要らないという論法で著作権法をかわそうとしたわけです。

もちろん藤田の遺族はその版元を著作権侵害で訴えました。その結果は、版元の敗訴、損害賠償と出版差し止めとでした。

版元は、ある意味確信犯ですから引用の要件については、かなり慎重にトレースしていたと思いますが、裁判所の判断は、引用した絵画でも絵画として鑑賞できるじゃないか、研究素材といっても十分鑑賞できるのだからこれは画集でしょ、ということです。

この本が画集を目的にスタートした企画であったことは、遺族に画集出版の依頼に行ったことで証明されていますから、版元は下心を見透かされていたことになります。下手うちましたね。

もし始めから『絵画の研究 藤田嗣治』でいってたらどうなったのでしょう。それでもクロなら、もはや有名画家や写真家の研究書は出せないことになってしまいます。


■引用の条件


著作権は創作者の権利を守る法律ですが、一方、文化・知識の広範な普及という人類全体の福利のためには、知識を個人の所有下にのみ留めておくことは不都合であるという見解も含んでいます。

そこで著作権には一部その制限があります。引用もその一つです。つまり引用は文化・知識の普及促進のために他者の著作物であっても一定の要件下で自由に使うことができる、というものです。

引用できる要件をざっと挙げると


・公表されたものであること
・正当な範囲であること
・論文が主で引用が従の関係であること
・公正な慣行に基づくもの
・文章を改変しないこと
・引用部分を明確に区別すること
・出所を明示すること
・報道、批評、研究など正当な目的のための素材であること


他にもあったかもしれませんが、思いつくだけでもこれだけあります。けっこう鬱陶しいですね。前回も書きましたが、「丸写し」は正当な範囲を逸脱しますし、公正な慣行にも反しますので、引用になりません。

あえて区別すれば転載ですね。

著作権法上、自由に他人の著作物を掲載できるのは引用だけですが、現実には「要約」または「要約引用」というものも多数目にします。「要約」も「要約引用」も著作権の制限項目ではありません。ですから明確にここまでという線がありません。

単純に「引用」と「要約」は無許可でいいと思ってる人も多いようです。しかし「要約」は、要約する段階で著作権の「同一性の保持」に抵触します。

次に内容を要約することで「無断翻案」となる恐れもあります。あれも危ない、これも心配、じゃあ一体どうすればいいんだよう。

簡単です。

面倒くさいことは編集者に預ければいいのです。別に著者が無断翻案か引用か要約か悩むことはありません。

編集者に「ここ要約してますけど大丈夫ですかねえ?」「この引用で問題ありませんか?」と確認の言質をとっておけばいいのです。リスクの移転ですね。

後は編集者が、自分で判断するか弁護士と相談するかして対処します。許諾が必要だったら編集者が連絡を取るでしょう。

著者は著作権の素人で、編集者は著作権のプロ(建前上)ですから、さっさと預けましょう。

ただ著者から申告(原稿に引用、要約、丸写しとあればそれでも可)されないとどこが該当箇所かわかりませんから、事件発覚後にしらばっくれられないためにも編集者に相談しておくことは重要です。


■朝日と山梨日日の盗作問題、シロかクロか


もはや旧聞ですが、朝日新聞の写真記者が読売の写真記事を盗用した事件と山梨日日新聞の論説委員が他紙の論説を盗用した事件について前号で記しました。

それぞれ書いた本人が自白してしまったので、盗作ということが割合はっきりしましたが、仮に無実を主張し裁判沙汰となったらシロクロはどうなったでしょうか。

山梨日日新聞の論説委員の方について、私がやや同情的なのはやはり先週書きました。

勝手に想像するに「このくらい変えておけば問題はないだろう」と思って出稿したのではないでしょうか。

もう少し配慮した表現にすれば「この文章であれば、他紙の論説は参考にした程度のものになっているはずだ」と考えたのだと思います。

いわば著作権についての知識があるゆえの陥穽に落ちたともいえます。その点では、藤田嗣治の「画集」を藤田嗣治の「絵画の研究」として出版しようとした版元も同様です。両者とも「これならOKだろう」と踏んだわけです。

さて、朝日新聞の写真記事から見ていきます。
著作権侵害を構成する柱は大きく言って2本です。

まず「依拠性」。朝日の記者が読売の記事を見たか、見なかったかです。次に「類似性」。その記事が似ているか、似ていないかです。

依拠性が証明されても、つまり見たとしても記事が違っていれば罪にはなりません。そもそも発覚しませんから事件になりません。依拠性がシロ、つまり見ていなかったことが認められれば、「偶然ってあるもんですねえ」ということになり、これも無罪。

本件は、依拠性も類似性も本人が正直に認めてしまったのですが、仮に本多某のごとく姑息でうそつきであったなら結果はどうなるでしょうか。

まず依拠性、見たかどうか、これは本多がしらばっくれても通りません。なぜなら発行部数公称一千万部の読売新聞だと「こんなに出てるんだから多分見ただろう」とするのが裁判です。

「自分はヤクルトファンだから読売は子供のころから見ていない」と主張しても通りません。よって依拠性はクロ。

残るは類似性です。似てるか似てないか。
本件は似てます。

しかし同じ地方の同じ風物詩を短い文章で表記するのだから似るのは当然です。また事実や短い文は著作権法上では著作物ではありませんから権利保護の対象ではありません。というわけで専門家に聞いたところでは「クロだろう」というご意見でした。

個々の事実や短文は著作物ではないが、「誰が書いても同じような文章になる」ような事実でない限り、やはり「全体に酷似している」となれば無断翻案、無断引用になるのではないかと。

一方、山梨日日新聞は、依拠性については「論説委員なら他紙の論説を複数読んでいるだろう」、826万部の朝日新聞や一千万部の読売新聞の論説なら依拠性は真ックロ、産経新聞でもクロに近いグレーでしょう。

類似性については、全体の15箇所くらいが、他紙のいずれかの論説の一部分と酷似しているということですので、いちいち付け合わせて発見した人もご苦労さんですが、論説の場合、事実の報道ではなく意見表明ですから、著作物の定義である「意見や思想を表現した」ものなのでこちらもクロっぽい。

よって、両者とも司法の手にかかる前に潔く自らを裁いていますが、裁判となってもちょっとシロにはなりそうにありません。結局、引用を明記しておけばよかったのですね。

でも、他紙から引用しましたなんて明記したらデスクを通るわけがないし、だれにも相談できないまま「このくらいなら大丈夫だろう」とやってしまったのでしょうかね。

著作権の罠には気をつけましょう。

ちなみに著作権法は刑事ですので逮捕も懲役もあります。と軽く脅しを入れて次回、「著作権侵害、その罪と罰」へ続きます。

ではまた来週。


    《編集後記》
 


「引用」と「要約」の話を読んでいて、かつてGoogleニュースの引用(リンク)が騒動になった一件を思い出しました。日本ではまだまだその驚異的な影響力が十分知られていなかった2004年頃、新聞記事をリンクとして引用された日本の新聞社が猛反発し、自社の記事見出し配信を拒否したという事件です(佐々木俊尚氏「グーグル」に詳しくあります)。

結局、Google側が新聞社に見出し使用の著作権料支払いを申し出てさやが収まった形になったそうですが、裁判のシロクロを超越したパワーを感じさせますね(発行者:樋笠)


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出版プロデューサー/本多 泰輔(ほんだ たいすけ)

プロデューサー・本多泰輔氏は、ビジネス出版社(版元)で20数年の経験をもつベテラン編集者から、出版支援プロデューサーに転身した人物です。その考え方について詳しく知りたい方は、本多氏編集のメールマガジン『コンサル出版フォーラム!本はあなたをメジャーにする』のバックナンバーをご一読下さい。

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