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第117号 著作権侵害、その罪と罰』

おはようございます。
本多泰輔です。

「黄金週間」と書くと何かすごくお金が儲かりそうな気がしますが、お金が入って来るのは一部の業界の人だけで、大半の人はお金が出て行くばかりだったのが先週でした。

いつもなら連休中は人が少ない都内ですが、今年は「新丸ビル」や「六本木ミッドタウン」など新しい見所ができたので、観光客らしき人を数多く目にしました。

さて、皆様はどのように連休をお過ごしになったでしょうか、などと前置きはこの辺に、さっそく本題に入りたいと思います。前置きをお楽しみの方(もしいましたら)すみません。

なお、毎回くどいですが、本編の内容は私本多の私見を含んでおりますので、「出版メルマガに書いてあったから」と軽率に行動することは避け、法的な問題に対しては専門の弁護士さん等に相談した上でご判断ください。

さて、著作権侵害は刑事と民事、両方の罪です。刑事事件になるということは逮捕されてしまう恐れもあるわけです。

ただ、警察が動くような事件とは、市販のDVDを大量にコピーして闇でさばくなど大掛かりな犯罪であって、他人の著作の一部をパクッたというようなみみっちい事案でいちいち身柄拘束に出張って来るほどわが国の司法はヒマではありません。

そのため多くは民事の罪と罰が争われることになります。著作権侵害は、その名の通り権利侵害ですので著作権を構成しているいくつかの権利、および著作隣接権の侵害が罪です。

この罪は一体どこから有罪になって、どこまでは無罪なのか、とても微妙でわかりにくい。

といって「君子危うきに近寄らず」で全て著者に許諾をもらうなどとやっていては、あまりの手間に本をつくる気力を失ってしまいます。


■罰則は


「罪」については、いろいろ面白いこともありますが、先週書いたことでもあるので、今回はどのような罰があるのか見てみます。

一つは著作者の権利の回復(っていうのかな)、要するに「この文章はこの人が書いたものです」と告知することです。もう一つは損害賠償。法改正後、高くなってきているといわれています。

よく聞く「手打ち」の中で穏当なのは、「無断使用部分を削除する、または改めて引用を明記した上で、無断使用した部分の文章量に応じて使用料を払う」という決着です。

例えば200ページ中1ページ分だれかの著作権侵害をしていれば、侵害した冊数だけ200分の1の割合の印税を支払う、というものです。このくらいで済めば大したことありませんね。

しかし、相手がわざわざ訴訟沙汰にまで及んでいる場合、こんな優しい処置で許してくれるとは思えません。裁判によって有罪と決着したら訴訟費用を請求されることもあります。損害賠償に慰謝料を乗せてくるかもしれません。

それでも損害賠償で済ませてくれる相手はいいほうです。著者と出版社にとって一番痛いのが「出版差し止め」です。

訴訟者は、無断使用部分のある著作物の出荷停止を要求できるので、出版社としては「やっちまった部分」を削除・修正し刷り直すか、あきらめて廃棄するしかありません。

その後出版社は、印刷製本費用等の実費を賠償額として著者に請求することになります。ただし出版社に罪がないわけではありません。「情を知って」発行したなら出版社も共犯です。

こうしたトラブルに見舞われたとき編集者は、当然「知らなかった」ことにするでしょうから、著者としてはわが身を守るためにも編集者に言い逃れさせないよう、引用など他人の著作を使用している部分については、あらかじめその場所がわかるように示し、できれば事前にOKか相談しておくべきです。

そこまでやっておけば事後のリスクは出版社に移ります。


■リスクを回避するには


なお、訴訟者は発行した本を店頭からの回収することを要求することはできません。

それでも返品在庫を出荷することはできない以上、出版流通の性格上ほぼ販売数は半減または停止に近い状態となります。

結局、最後はお金の問題になるのですが、最近は訴訟を起こす側も知恵がついて、出版差し止めを「人質」にしてより大きな額を請求してくることがあります。つまり本来の損害賠償額がどんなに小額のものであっても、出版差し止め請求はできますから、賠償額の何倍かの金額を和解の条件にしてくるわけです。

そんな世知辛い世の中で、まともに出版していくにはどうしたらいいのでしょうか。

著作権侵害をしなければいいのです。そして危ないときは編集者を巻き込むこと。これで出版社からの損害賠償請求はかなり有利になります。

次に肝心なことは自分の文章で書くこと。

とはいえ、一冊全てを自分の知識だけで書くことは現実には不可能です。何らかの参考書が必要になります。知らないことだってありますから。

参考にすることは何ら問題ないのですが、参考にしたところを文章にする際、必ず自分の文章で書くことです。

自分の文章にしたつもりだけど、大丈夫だろうか。そんな不安があって、なおかつ「そんなこといちいち編集者に相談できないよ」という場合はどうすればいいのか。

ビジネス書では少ないですが、時事問題に関する本には、巻末に参考文献がずらずらと記されています。参考文献を挙げることは「参考にさせていただきましたよ」という敬意を示すあいさつなわけですが、これはいわば「見ましたよ」という自白でもあるわけです。

著作権侵害を構成する2要素は、依拠性(見ただろ、見たよね)と類似性(似てるよね、そうだよね)であると先週書きました。

参考文献を麗々しく掲げるということは、依拠性を自ら証明して見せているわけですので、類似箇所があったときはこのことが著しい不利を招きます。

つまり元の文章と明らかに違う、自分の文章にすることに自信がない場合、参考文献を挙げることはかえってヤバイということになります。白ばっくれようがない。

参考にする場合は、特に注意して参考文献とは違う自分の文章にすることが必要です。リスク回避のためには、参考文献を掲げないほうがいい場合もあるのです。


■ああ無情


著作権侵害も無自覚に起きるときと、知っていながら図らずも侵害してしまう場合があります。

前者はわざとというより、著作権侵害の何たるかを知らずにやってしまうケースです。このケースは自覚がないから編集者に相談することもないでしょうし、訴えられるまで本人もわからないということになります。その分リスクが大きい。

そういう人は、とりあえず「人の著作を黙って使ってはいけない」という基本原則を胸に刻んでおきましょう。

後者は、このくらいなら大丈夫と判断して失敗するケースです。先週取り上げた新聞の論説盗用などはこのケースではないかと思います。

音楽著作権の世界では、作曲家小林亜星が同業の服部克久を訴えた有名な事件があります。服部克久の曲(ある番組のエンディング曲だったと思います)が小林亜星の作ったCMソング「どこまでも行こう」(どこかのタイヤメーカーのCMだったと思います)に酷似しているというものでした。

どちらもテレビで流れた曲ですので依拠性は十分。この蓋然性を崩すには、その前後何年かの期間、日本のメディアに接触できないアフリカの奥地で像を追いかけていた等の挙証が必要です。

類似性も曲の構造を比較したところ確かに半分以上、かなり同じところがあったようです。物証においては著しく服部克久側に不利でした。

しかし不思議なことがあります。プロのベテラン作曲家である服部克久がこんなに他人の曲に似ているものを発表するだろうか。

音楽業界の人間が音楽著作権を知らないはずはないし、「どこまでも行こう」のCMソングは不肖本多を含めほとんどの日本人が、メーカーは忘れても曲は知っているくらい巷に流れたメロディーです。

音階の組み合わせは、数学的には膨大な数に及ぶものの、日本人が心地よいと感じる旋律には限りがある。音楽はこの限られた範囲の旋律の組み合わせなんだから、それぞれどこか似てくるのは仕方がないんだ、というのが裁判で主張された服部克久側の言い分でした。

結局「だから、このくらいなら著作権侵害じゃない」という判断は、服部克久だけでなく周辺の多くの業界人も同様に「このくらいなら」とあえて忠告しなかった程度だったというなら、何となくお気の毒という気もします。


■まとめ


「国境の長いトンネルを抜けると雪国だった」

ノーベル賞作家川端康成の『雪国』の冒頭を飾る名文ですが、この一文に著作権はありません。死後50年経っていないのに著作権がないというのは、そもそも司法の判断では、このように短い文は著作物ではないのです。

しかし、同様に短い俳句は著作物とされています。

「トンネルを抜けたら雪だった・・・」という情景は、だれが書いても同じような文になるから非著作物であるということです。ならば池にかえるがぼちゃんと飛び込めば、みんな同じ句を読みそうです。

かつては事実や短文は非著作物として扱われていました。したがって新聞の見出しには著作権がないということでしたが、最近は新聞社側が「見出しは内容を短く表現しているのもので十分著作物の要件を満たしている」と見出しの著作権を主張しています。

次回は、著作物と非著作物の微妙な境界と出版社の危ない著作権管理の実情について暴露します。

ではまた来週。


    《編集後記》
 


肝心なことは自分の文章で書くこと。引用など他人の著作を使用している部分については、あらかじめその場所がわかるように示し、編集者へ事前にOKか相談しておくこと。この2つをキッチリ守れば、出版差し止めという最悪の事態はなんとか防げるかもしれませんね。

著作権侵害で裁判になるということは、ただ乗りで利益を得た、または悪意があって相手を怒らせたことでしょうから、感情的な側面にも十分配慮をすべきだと感じます(発行者:樋笠)


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出版プロデューサー/本多 泰輔(ほんだ たいすけ)

プロデューサー・本多泰輔氏は、ビジネス出版社(版元)で20数年の経験をもつベテラン編集者から、出版支援プロデューサーに転身した人物です。その考え方について詳しく知りたい方は、本多氏編集のメールマガジン『コンサル出版フォーラム!本はあなたをメジャーにする』のバックナンバーをご一読下さい。

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