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第145号 『出版に成功したコンサルタントに聞く
      〜訪問しないで売る営業の、菊原智明氏インタビュー』

おはようございます。
本多泰輔です。

すっかり全国ブランドになった防衛商社山田洋行ですが、軍事ジャーナリストの田岡俊次さんによると、山田の食い込み方はトップダウンではなくてボトムアップだったそうですね。

つまり、ロッキード事件のように政治家のトップから商社のトップ、航空会社のトップへ、という構造ではなく、実際に力仕事をしている、決定権のある課長レベルをターゲットにして、いわば根っこから攻めて、幹から枝を通って実に至るルートを内側から押さえたわけです。

中央省庁の組織は、課長にかなりの権限が集まっており、局長、次官が下から上がって来たものにケチをつけることはめったにありません。ただ、課長は決裁する前に局長あたりには根回ししますし、局長は人事考課者ですから、人事を背景に影響力を行使することで軌道修正させることは可能です。

ですが、課長がどうしても通そうと覚悟を決めれば、理屈に無理がなければその事案は通ります。山田洋行はその辺のメカニズムを重視し、課長レベルを大事にしたのでしょう。

ただ、手間はかかりますよね。トップは一人ですが、課長は何人もいますから。また、全員が局長、次官になるわけではないので、その辺の面倒見も大変だろうと思います。局長レースから降りたからと手のひらを返すと、ネガティブな評判が立ちますし、本流から外れた人をいつまでも厚くもてなすわけにもいかないし。

この辺の機微は、ひとつのノウハウなのでしょうな。
出版社にも同じような構図はあります。

課長が編集長という会社もありますし、デスクという会社もありますし、単に課長という会社もあります。

いずれにしても、課長クラスの上げて来る企画を、そうむげにできないのは出版社も同様です。

ただし、出版社は中央省庁とは違い、いろんな立場の課長がいます。名ばかりの課長、いつまで経っても課長という、あんまり頼りにならない課長と実力課長とでは、明らかに社内の立場が違います。

誼を通じるなら実力課長ですね。
前置きはこのくらいにして、改めまして著者インタビューをお送りします。


■会社を辞める気がないころに、早くも出版のオファーが・・・



樋笠:菊原さん、本日はよろしくお願いします。さてこの1年で、立て続けに3冊出版されましたが、何か戦略というか計画的な意図があったのでしょうか?


【訪問しないで売れる営業に変わる本−4年連続No.1が明かす】



菊原:
最初に出版のオファーを頂いたのは、実はまだ現役の営業マンの頃だったんです。

当時から「住宅営業マン日記」というブログを書いていまして。


この業界ってけっこう閉鎖的というか、体育会的な体質があって私がやっていた“訪問しないで売る”なんていう考えは邪道だったんですね。

それでブログを通じて匿名(月いちというペンネーム)で、その思いを綴っていたら、ある時、出版社という人からメールが来ました。

「これは面白いです。本になりますよ!」と言ってきたんですが、その頃は、なんかこれ怪しいなって思って。無名の営業マンである自分に本を書きませんかって言うはずないし、大金取られて本を出すような詐欺まがいの話と思って、お断 りしたんですよ。



樋笠:
えっ!本当に詐欺だったんですかね?そのメールの方は、出版社名とか名乗っていなかったんですか?



菊原:
あとから分かったのですが、ちゃんとした出版社の方でした。大和出版さんです。当時は出版社なんて全然知らなかったので、ろくに調べもせずにお断りしてしまったんです。

それから、あるきっかけで会社を辞めることになりまして。しばらくは住宅営業のノウハウなんかでセミナーをやったりしようかなと考えて、リフォームの方と共催で去年の5月頃にセミナーを開催したんです。

そこに参加した方が出版社の編集者で、いろいろ話をしていると、偶然、以前メールをくれた大和出版の方だと分かったんです。これには本当にビックリしました。相手もブログの私と気づかずに参加されていましたので。

それで、ぜひ今度はやりましょう!と話が決まったのです。



■第一作目で3万部に迫るヒット・・・世界が変わった!



樋笠:それはすごいご縁があったのでしょうね。執筆から出版まではスムーズに進んだのでしょうか?



菊原:
去年の7月頃から書き始めまして、9月に完成。10月に発売となりました。私がいったん書き上げたものを送って、校正してもらい、書き直すという作業を何度か繰り返しました。

もともとブログで日々書きたいことをまとめていましたし、かなり執筆は順調に進んだと思います。

会社にいたころは、自分の会社の商品のことだけを考えていたんですが、いろんな業界の営業の方に読んでもらえると思うと、非常に世界が広がっていく予感がありましたね。



樋笠:
なるほど。発売から約1年ですが、手ごたえはいかがでしたでしょうか?



菊原:
この出版で、本当に、世界が変わりました。発売から1ヶ月で4刷りまでいったんです。それから順調に部数も伸びていって、いま累計で3万部近くまで売れたと思います。

大和出版さんにとっても、10年前に4万部出た営業本以来のヒットだったそうで、非常に喜んでいただけました。



樋笠:
デビュー作からいきなり、すごいですね!かなり今のお仕事の営業にもプラスになったのでは?



菊原:
仕事の99%は本から来ています。

一部、何件かブログからも依頼が来ましたが、やっぱり殆どが本を読んだ方からの反応ですね。逆に、この本がなかったら、今の自分はなかっただろうと思います。

実は出版の際に、営業マン向けの「通信講座」のご案内を同封させてもらったんです。メール相談や電話相談がついている12ヶ月の講座で。今もその活動を続けています。

それから本を読んだ企業の方からのセミナー依頼が多く、営業マン向けに顧客向けの手紙の書き方や、初回訪問向けのセールストーク講座などを、たくさんのセミナーを実施させていただきました。

住宅業界はもちろん、証券や保険など、いろんな業界の方からご依頼をいただいています。

自分自身は人前に出るのがあんまり好きじゃないので、最初は通信講座プラス執筆と思っていたんですが。実際にこの仕事を初めて思うのは、やっぱりセミナーなどで現場の営業マンと接していないと感覚がボケますね。

リアルなご相談を聞いていると、瞬時に自分が経験してきた営業体験が浮かんできます。するとどんどんアイデアやアドバイスも浮かんでくるのです。

面白くてやりがいのある仕事なので、ニーズがある限り、続けて生きたいと思っています。



■同じネタで何度も書くと、読者を裏切ることになる



樋笠:充実されていて何よりです。今年出された第二作目、第三作目はどういう経緯で決まったのですか?



菊原:
2冊目の「魔法のトーク」は、実際に企業向けのセミナーでご要望が多かったテーマを本にしました。1冊目が手紙だったので、この2冊がそろってひとつのノウハウという思いが自分の中ではあります。


【売れる営業に変わる魔法のトーク】


3冊目の「100の言葉」は、たまたま知り合ったダイヤモ ンド社の編集者の方から出してみませんかと声を掛けていただきまして。

実は2冊目の時期とちょうど重なっていたので無理だと思っていたのですが、携帯メルマガ向けのコンテンツとして出していたものを、そのまま使いたいと言われまして、それならとOKしたものなんです。


【売れる営業に変わる100の言葉】



樋笠:
そうだったんですか。それにしてもデビュー1年で3冊とは、非常にいい流れで来ましたね。今後のご予定は?



菊原:
ありがたいことに一度ヒットが出ると、いろんな出版社の方から「出しませんか」と言って下さるんですね。

「ライターをつけますし話すだけでいいです」という出版社もありました。

けれども自分の周りを見ていますと、同じようなネタで何度も出したりすると、たちまち読者に見抜かれて「なんだまた焼き直しじゃん」と買ってくれなくなるようですね。

いちど飽きられると、なかなか売るのが難しくなるようです。

確かに本を1冊出せば、100万円位のお金は入って来ますが、どうも自分で自分の寿命を縮めるような気がして・・・。実はこの年末にも1冊準備していたんですが、いろいろ考えた挙句、ボツにしたんです。

次に出す本は、同じネタの焼き直しでなく、一作目と二作目の集大成みたいな内容にしたいですね。いちおうダイヤモンドさんからの出版を予定しています。

それでいったんこの営業関係の本は終わりにしようと思っています。



樋笠:そうだったんですか。売れれば売れたなりに苦労があるものなんですね。自分のブランディングを守るのも自分自身ですし、読者の期待を裏切ると、そのしっぺ返しもあるでしょうしね。

それでは最後に。これから出版を目指す方へのアドバイスをお願いできますでしょうか?



■優秀な編集者ほど、著者からの企画書売り込みをきらう



菊原:
本の編集者は、やっぱり自分の手で著者や企画を見つけたいと思っていらっしゃるようです。著書が売り込んできた企画はまず見ないと思いますね。

とくにエースと言われているような優秀な編集者の方ほど、その傾向が強いと感じます。

ですので自分から売り込むのでなく、向こうから注目してもらえるような活動をすべきじゃないかと私は思います。

あるいは、すでに本を出した方から紹介してもらったり業界にコネのある人に紹介してもらったほうが遥かに早いのではないでしょうか。



樋笠:実践的なアドバイスですね。菊原さん、本日はいろいろと貴重なお話をして下さって、ありがとうございました!



■まとめ


再び本多です。気がつけば、もうすぐ師走。

季節商品である「確定申告」本は、今年は10月半ばから出てました。今後さらに点数が増えるでしょう。

思えば、2007年問題とさんざんいわれたにもかかわらず、出版物で07年問題に関するものは、ほぼ不発、来年から施行される「日本版SOX」も不発、再来年の「裁判員制度」もほぼ無関心・・・、

来年も何が売れるかわからない不透明な年になるのでしょうな。

ではまた来週。



………………………………………………………………………………
◆◇今週のおすすめビジネス書◇◆

【訪問しないで売れる営業に変わる本−4年連続No.1が明かす】

著者:菊原智明  出版社:大和出版  価格:¥1,575(税込)


「緊張してうまくお客様と話ができない」「何を説明してもお客様が心を開いてくれない」「訪問してお客様から嫌がられるのはもうウンザリだ!」そんな悩みをもっているあなたへ。ズバリ、「営業レター」を活用すれば、あなたの世界は180度変わります。この
本は机上の空論でもなければ、才能のある人だけが使える方法が書かれたものでもありません。長年、ダメ営業マンだった人間がつかんだ、だれでもできる実践ノウハウです。実行すれば、きっとあなたも「訪問しなくても結果を出し続ける営業マン」に生まれ変われることをお約束します。


《著者プロフィール》

菊原 智明氏

営業サポート・コンサルティング株式会社 代表取締役

私は11年間住宅営業をしてきたのですが、入社して7年間は首寸前のダメダメ営業マンをすごした後、4年連続NO.1営業マンになりました。特別な才能がなくても即実行出来るノウハウを営業活動で悩んでる方にわかりやすく伝えています。

1972年、群馬県高崎市生まれ。95年、群馬大学工学部卒業後、トヨタホーム入社。その後7年もの間、ダメ営業マン時代を過ごす。2002年、首寸前の状態から【営業レター】によりトップ営業マンへ。2004年、全国NO.1営業マンになりMVPを獲得。2005年度まで4年連続トップ営業マンに。2006年5月、売れなくて悩んでいる営業のサポートをしたいとの思いから、営業サポートT−1を設立。実績は、大手住宅メーカー、住宅フランチャイズメーカー他、セミナーの回数は半年で30回以上。


《研修堂・詳細プロフィールはこちら》



    《編集後記》
 


菊原さんは当社が運営する「研修堂」というサイトにご登録頂いたのがご縁で今回のインタビューとなりました。最近は若手のコンサルタントで出版される方も珍しくないですが、デビュー作で3万部近くも売上げたあたりは、さすがに並の新人ではないという気がします。ブログで人気がでてそこからアプローチがあったというのも今どきな話ですね。

amazonの書評には「役に立った」という意見が多く載っていました。やはり菊原さんが住宅営業の現場で実際に築き上げたノウハウが、自然とコンサルタントとしての独立に繋がったのだな、と実感しました。(発行者:樋笠)



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出版プロデューサー/本多 泰輔(ほんだ たいすけ)

プロデューサー・本多泰輔氏は、ビジネス出版社(版元)で20数年の経験をもつベテラン編集者から、出版支援プロデューサーに転身した人物です。その考え方について詳しく知りたい方は、本多氏編集のメールマガジン『コンサル出版フォーラム!本はあなたをメジャーにする』のバックナンバーをご一読下さい。








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