おはようございます。
本多泰輔です。
東北大震災を挟んで大分ごぶさたをいたしておりました。申しわけございません。
世間の人々にはほとんど関心のないことだろうと思いますが、震災や原発事故の陰で税制改正法案がどうなるのかまったく行方がわかりません。
廃案という声まで聞こえますが、これまで大なり小なり毎年税制改正は行われてきたわけですから、廃案となれば戦後初ではないかと思いますがどうでしょうか。
本来であれば、3月に国会を通過し4月に施行される予定でした。
ところが・・・。
法案の行方がわからないため、ビジネス書の出版社は相続税改正の本が出せないままやきもきしています。3月11日までは盛んに週刊誌でも取り上げていて、売れ行きもよかったので、ほとんどの出版社は原稿を仕込んでいます。しかし出せない。
中には待ち切れず出版した版元もありますけど、やっぱり売れ行きはいまいち・・・というか残念なことになっています。やっぱり改正されるのが前提になっていない本ではねえ・・・。もしかしたら改正されないかもしれないし・・・。
そんなこんなで、節電で8月の真ん中は出版業界は書店を除き一斉に仕事を止めるそうですし、今年の後半も不透明な出版界ということですが、そんな中で先月末に新刊を出された著者がおられます。今回は、そのかたの著者インタビューをお送りします。
『出版に成功したコンサルタントに聞く
〜ヒューマンバリューマネジメント 代表 栗田猛氏』
◎出版した本の紹介
【給料のカラクリを知ってお金をとことん増やす本】(講談社)
賃金を取り戻す小技・裏技お教えします!あなたの賃金、搾取されていませんか? 賃金の仕組み、福利厚生を活用した賃金を増やす小技、軋轢を生まない上司との賃金を取り戻す闘い方などすべて見せます。 国と会社から給料を取り戻す裏ワザ・凄ワザ満載。
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樋笠:栗田さん、よろしくお願いします。この本はどういう経緯で出版に至ったのでしょうか。
栗田:以前に出版プロデューサーの本多さんに、企画書からのプロデュースをお願いしたんですが、その時は残念ながら実現できなかったのです。
しばらくしてから忘れた頃に「賃金関係の本を手伝ってほしい」と連絡をただきまして。最初はてっきり本多さんの本に協力するのかと思っていたんですが、よくよく聞けば私の名前の著書ということでした。
樋笠:彼は裏方のプロデューサーですから自分の名前で本は出さないでしょう。意外と義理堅いですね。企画はすんなり通ったのでしょうか?
栗田:当初はまったく違う「働く人のための賃金の論理」という企画で通っていたんです。
去年の10月頃から原稿を書き進めて一部は仕上がっていたのですが、途中で編集の担当者さんが実用書の部門へ異動になりまして。それで「働く人向けに給与明細や源泉徴収など給料の仕組みについて書いてもらえませんか?」と言われまして。
樋笠:えーっ、ぜんぜん違うじゃないですか。よくOKしましたね。
栗田:はい。最初は賃金を守るという切り口でしたが、すこしやわらか目の切り口で実用性を求められました。私はコンサルタントやって29年目になるのですが、これまで経営サイド、人事部サイドばかりでしたので。正直言って働く社員が読む本は考えたことがなかったです。
ただ打ち合わせをしていくうちに、社員にとって良い会社とは、経営側にとっても良い会社に違いないですし、やってみようと思いました。
樋笠:実際に書かれてみてどうでしたか。
栗田:この本は、OLさんを含めビジネスマン向けにやさしく書いた本ですので、書き方のうえでとても勉強になりました。これまでは経営用語を使ったまじめな文章しか書いて来なかったので、編集者からイラストを使いましょうと言われたり、こういう内容を書いて欲しいという要望が自分にとっては新鮮でした。
つい最近5/31に発売されたばかりですが、本屋さんでも自分の本が「マネー本」のコーナーに並んでいるのは初めての経験です。
樋笠:やわらかい本を書くと新境地が開けそうですね。栗田さんはご自身の著書で2冊目、共著で6冊ほど書いていらっしゃる経験者ですので、出版を目指すコンサルタントのみなさんへ最後にアドバイスをお願いできますか。
栗田:たとえば人事コンサルタントの方や、社労士の方などは、ぜひこの本をご覧になっていただきたいですね。編集者の目で一般のビジネスマン向けに仕上げた内容を参考にしてもらえれば、硬いテーマもこうなるのかとわかってもらえると思います。
私自身もそうですが、コンサルタントは考え方がまじめすぎてそのまま文章を書いても面白くない。トラブルの事例や、会社を恫喝する方法など、多少どきつく感じるかもしれませんが、ぜひ読んで楽しんで何かのヒントにしてください。
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いやあ、どうもそういう訳なんです。
手前みそで申しわけありません。でも、面白い本ですのでお目にとまったら手にとって見てください。
この本でもそうなんですが、最近は本は読ませるより、見せることが大事ということが痛いほどわかります。見せるというのは、ぱっと見てわかりやすそうか、そうでないか。ぱっと見でわかりやすそうでない本は、読んでくれません。
そのためには、著者の原稿も好きなように書くというわけにはいかず、基本は2ページの中に納まる原稿でなくてはなりません。もう5〜6ページにわたって延々と説明を続けるという筆法は、なかなか読者がついて来てくれませんからねえ。
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