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第047号 『出版に成功したコンサルタントに聞く〜間舘正義氏』

■「四季報」戦争


おはようございます。
本多泰輔です。

株式市場は、みずほのちょんぼで、またひとつ弾みがついたようです。あんなことは二度はないでしょうが、夢よもう一度とデイトレードへ新規参入が増えることでしょう。

そんなバブリックな株式市場ですが、出版界でも株がらみでひとつ波乱がありました。

これまで、株式情報誌を発行していたのは、老舗『会社四季報』の東洋経済新報社、追いかけるメジャー『日経株価情報』の日本経済新聞社だったのですが、ここにダイヤモンド社が『株価データブック』を今月15日に創刊しました。

その途端、東洋経済から四季報の内容を転用していると、販売停止仮処分の申請がぶつけられ、風雲急を告げております。

かような事態は、平和を愛する私の最も好むところです。過去、弱小出版のパクリには寛大だった東洋経済も今度ばかりは脅威を感じたのか、マジでやるようですな。ダイヤもここは怯まず大いに奮戦してもらいたいものです。

四季報なんて3ヶ月に一度の悠長な闘いではなく、週刊東洋経済とダイヤモンドでも毎週猛烈なドッグファイトを展開してくれれば、日経ビジネス以外ほとんど存在感のないビジネス誌も大いに賑わうでしょう。

閉塞感で弛みきった業界に風穴を開けるかもしれません。行け行けダイヤ。玉と砕けよ華と散れ(でも、ダイヤは硬いから砕けないな)。

まあ、こんな話題でもここ数年沈みっぱなしだった出版界にあっては、なにやら少し動き始めたような活気を感じます。

では、本編です。


■二度の企画ボツにもめげず


樋笠:おはようございます、間舘さん。よろしくお願いします。まずはいつもの通り、きっかけからお聞きしたいんですが


間舘:先輩からコンサルタントをやるなら本を出しなさい、と言われたのがきっかけでした。その先輩が編集者を紹介してくれたんですが、結局、企画が通らずボツに・・・。

それで自分で10社に売り込んだんです。企画書と目次を郵送しました。確か、コストの作り方・減らし方、といったタイトルだったと思います。


樋笠:やはり当たって砕けろ、ですね。で、成果はいかがでしたか。


間舘:一番最初に返事をくれたのがかんき出版さんでした。1週間くらいで。それで喜んで、原稿を書いたんですが・・・また、ボツになってしまいました。自分では相当、力を入れてやったので、正直、ちょっと頭にきましたね。


樋笠:なんと。それはショックですね。わざわざ書き上げたのに。


間舘:ところが企画書送って1ヵ月半くらいして、日本実業出版社さんから「あの企画をやりたい」と連絡があったんです!
ずっと社内で検討をして頂いていたみたいで。普通は出版社なんで当然、売れる本を手掛けるのが当たり前ですよね。

ところが日本実業出版社さんは「売れるかどうかは難しいが、これは出版社として世に出すのが使命だと思っています」と言ってくださって、感激しました。いまでも感謝しています。

【図解 原価管理―原価の基礎から戦略的コスト・マネジメントまで】

2003年の8月に初版(5500部)が発行されて、あれから2年以上経ちましたが・・・今年の10月には第4版を重ねました!再版はどうしてもしたかったですし、できれば1万部以上は売れて欲しかったので、一応、目標はクリアしたかな、と思っています。


樋笠:それは素晴らしい!よかったですね。日本実業出版社さん、地味なテーマでも使命感をもっていらっしゃるのがカッコいいですね。それで、出版効果は、いかがでしたか?


■コンサルタントが主な読者層?


間舘:
それほどでもなかったです。メールで質問が来るのは同業者が多くて。詳しい中身を知りたくて問い合わせが来るんです。

例えば品質のISOをやるコンサルタントは多いですが、本当に生産現場を分かっている人がどれだけいるか、ちょっと疑問ですね。


樋笠:やっぱり同業者は、いちばん早く同業者の情報に反応するものですよ。まあ実際は、一般企業の方も多く読んでいらっしゃると思います。

それから、第2作目の経緯をお聞かせいただけますか?


間舘:実は、お詫びという訳でもないんですが。かんき出版さんから声がかかりまして。別の著者の方が書いた企画の監修をやらせていただきました。

実務として使えるように、チェックして欲しいというお話でしたので、引き受けました。


【ウルトラ入門これならできる!「経営分析」―儲かっている会社のナゾも危ない会社の兆候も数字でわかる!】
   


樋笠:
なんと。かんき出版さんも義理堅いじゃないですか。世の中、捨てたもんじゃないですね。


間舘:それだけじゃないんですよ。実はつい最近、第3作目を書き上げたんです。そのものズバリ、私の得意テーマであるコストダウンの本です。

これも、かんき出版さんですよ。たまたま「図解 原価管理」が第4版になるという話をしたら「ぜひ書いてみませんか?」と勧められて。今度ボツにされたら絶対、他社に持っていこうと思っていましたけど(笑)。今度は無事に決まりました。


樋笠:なるほど。売れる著者として、実力を認められた訳ですね。


間舘:この本は、私が一番書きたかったこと、つまりコストダウンの一番のポイントは『設計』で、そこをどうやるか、経営計画とコストダウンの結びつきをベースに展開しました。

類書は利益を得るために勘定科目や費用の見直しでコストダウン、という論調が多いですが、私は製造業のモノづくりを主眼に置いていますので、基本的な考え方が違っています。


樋笠:同業のコンサルタントの方も、是非読んでくださいね。では、これから出版を目指す方にアドバイスを。


■本を読んだ客先は、長く続いています


間舘:さきほど、それほどでもなかった、と言いましたが、やっぱり「出すに越したことはない」と思います。企業からの評価がハッキリ違うと感じています。

とくに、本を渡して、読んでもらった客先は、今でもずっとお付き合いがあるから不思議ですね。それから、実際に企画の売り込みをやってみて、どこの出版社がどんな企画を欲しがっているか、よく分かりました。

他の出版社でも声を掛けていただいた所がありますが、名前が通っている割には、販売力がなかったり、買い取り条件がついていたり・・・。


樋笠:ちょっと業界事情にも詳しくなったんですね。今度の3作目、本業のお得意なテーマですし、反響が楽しみですね。
本日はお忙しい中、ありがとうございました!

■まとめ


再び本多です。

最近、成美堂出版というところを注目しています。
一言で言うと商売上手です。

新刊主義の出版界の中で、過去の財産を有効活用している少数派です。知り合いがここでよく仕事をしていますので、前から色々聞いてはいたのですが、近頃はビジネス書に近いものも出すようになりました。実用書とビジネス書は似たようなところがあるのですが、実用書の秘伝のノウハウをうまいことビジネス書に応用しています。

ひょっとしたら中堅クラスは食われてしまうかもしれませんね。

まだ、ビジネス書のラインナップは少ないですから、こういう実力あるニューカマーとうまくジョイントできたら、いいんじゃないでしょうか。

そういえば、もうひとつの巨大なるニューカマーは、いつごろ姿を現すのでしょう。

さて、今年も次回で大トリ。
ラストテーマは・・・、まだ考えていません。

何が出るか、お楽しみに。

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◆◇今週のおすすめビジネス書◇◆

【図解 原価管理―原価の基礎から戦略的コスト・マネジメントまで】

著者:間舘 正義  出版社:日本実業出版社  価格:1,680円

モノが売れない・儲からない今、全社的な利益に結びつけるためのトータルで戦略的なコスト・マネジメント(原価企画)が重要になっている。「原価管理」の基本から実務対策までが理解できる一冊

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《著者プロフィール》

間舘 正義(まだて まさよし)
日本コストプランニング株式会社 代表取締役
経営士(生産部門)/生産士1級

「製品のコストダウン、原価企画はおまかせください!」

1957年生まれ。産業能率短期大学卒業。製造企業に就職し、製造現場からスタートして生産管理の実務を経験する。その後、経営コンサルタントを目指し、転職をしながら生産管理ソフトの開発及び販売や生産財の営業実務などを経験する。独立後、製品開発、生産、調達段階でのコストダウンを実践指導する。また中小企業では、受注量アップのための販路拡大のための実践営業指導も進めている。著書「図解原価管理」(日本実業出版社)「ウルトラ入門これならできる経営分析」(かんき出版)があり専門誌や雑誌への寄稿多数。


【参考コラム】
『コスト競争力のつけ方』



    《編集後記》
 
今週はコンサルティングの仕事でもご一緒いただいている間舘さんにインタビューをお願いしました。新しいコストダウンの本、正式にリリースされたら、またPRさせていただきます。

先月のこのコーナーで、インタビューできる方を呼びかけたら読者の方からお返事を頂きました!ビジネス書を数多く執筆されている方で、コンサルタントではないのですが、参考になるお話を聞けました。また来月、お楽しみに(発行者:樋笠)




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出版プロデューサー/本多 泰輔(ほんだ たいすけ)

プロデューサー・本多泰輔氏は、ビジネス出版社(版元)で20数年の経験をもつベテラン編集者から、出版支援プロデューサーに転身した人物です。その考え方について詳しく知りたい方は、本多氏編集のメールマガジン『コンサル出版フォーラム!本はあなたをメジャーにする』のバックナンバーをご一読下さい。








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