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欠損金の損金算入で得する金額				 | 
			 
		 
		 
		
これまで欠損金を繰り越せる期間は7年間でした。
 欠損金を使い切れてなくても、8年目以降は普通に税金を払うわけです。
  
 これが9年になったということは、2年分得した、ということです。
 前回の計算でいうと2年で960万円!すごいですね。
  
 ただし、繰り越せる限度は欠損金の額分(1億円)ですから、
 8年間でトータル9600万円(1200万円×8年)損金として使ったとすれば、
 
 9年目に損金算入できる額は、欠損金額1億円−既に損金算入した額の
 総額9600万円の400万円になります。
   
 なので、
  
 9年目については利益1200万円−欠損金残額400万円の800万円に法人税率
 40%を掛けた320万円、税負担が生じることになりますね。
  
 単純計算でいうと2年で960万円得した感じがしますが、細かくいうと、A社さんの場
 合は2年で640万円得した、という計算になります。		 
		 
		
		
			
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再生計画における効果(1)				 | 
			 
		 
		 
		
9年とは言わず、1、2年で欠損金を使い切るほど復活できるのであれば、それはそれで
 とても良いことですし、そういう再生・回復ができるのであればそれがベストです。
  
 しかし、確実な計画を立てるという点で、あまりにもハッピー過ぎる、実現可能性に乏し
 い計画は信用度に欠け、銀行など債権者の方に対して不誠実なものとなってしまいます。
  
 一般的に中小企業の再生計画は10年間での債務完済を目指します
 (なぜ10年かという点についてはいろいろあるのですが、ここでは割愛します)。
  
 言い換えれば、10年間で完済できる、かつ、実現確度の高い計画が立てられれば
 再生計画として問題ない、ということになります。
  
 A社さんを例にして簡単に弁済計画を考えてみます。
  
 利益が1200万円出ていることから逆算して(経常利益率を3%と仮定)、売上高を4
 億円、金融債務が売上高の半分として2億円と仮定します。		 
		 
		
		
			
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再生計画における効果(2)				 | 
			 
		 
		 
		
この2億円を10年で完済できればいいわけですから、
 まず年間利益から1000万円を返済に充て、10年間で1億円。
  
 減価償却費が年間1000万円あったとして、これを返済にあてれば10年で1億円。
 これで計2億円の返済ができます。
   
 売上が伸びず、現状維持であったとしても債務を完済できるわけです。
  
 では、欠損金を損金算入できなかった場合はどうかというと、
 税引き後の利益は、税引き前利益1200万円×(1−税率40%)=720万円なの
 で、これを全て返済に充てたとして10年間で7200万円の返済。
  
 法人税がない場合は10年間で1億円返済できましたが、それと比べ2800万円足りま
 せんね。		 
		 
		
		
			
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再生計画における効果(3)				 | 
			 
		 
		 
		
ということはこの足らずの2800万円をどこかで捻出しなければならないことになりま
 す。それはコストの削減であったり、売上の増加であったりするわけです。言い換えれ
 ば、再生計画がより厳しいものとなるわけですね。
  
 以上のとおり、欠損金を繰り越せれば税負担が減り、その期間が伸長されればよりその効
 果が活用できることになります。
  
 さて、全4回にわたり、欠損金の繰越期間伸長の意味についてお話してきましたが、今回
 が最終回です。
  
 細々お話しいたしましたが、債務の返済を進めるためには税負担が軽いに越したことは
 なく、負担が軽ければ再生計画も立てやすくなる、そのために繰越欠損金の期間伸長は
 意味あるよ、ということをお伝えできていれば幸いです。
  
 最後までお読みいただきありがとうございました。
  
 またお知らせすべきトピックがありましたら、このコラムに上げていきたいと思います。
 今後とも宜しくお願いいたします。
  
 池田		 
		 
 
 
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