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◇◆◇ 経営革新!100人のコンサルが語る事業成功の秘訣 ◇
◆◇ 第162号【04/11/10】 ◇◆
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《今回のCONTENTS》
1.『急がば回れ!田中さん』 光本 茂樹
2.今週のおすすめメルマガ
【ロジスティクス思考的経営話(物流話)】
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《今週のテーマ》
『急がば回れ!田中さん』
お客様A社:「今月5日までに新製品の比較検討資料を持ってきて
くれるという約束を営業の田中さんとしたんだが、期
日が過ぎても全く連絡も何もない。おたくは、うちに
対してそういう姿勢で付き合っているのか!」
あわてて上司が田中さんを呼び出して聞いたところ、
田中さん: 「5日の午後にその資料を作成するための時間をとっ
ていたんですが、別のB社から今日納入されるはずの
印刷機が納入されていないとクレームが急に入ってき
て、倉庫や運送会社やあちらこちらに連絡してるうち
に夜遅くなってしまったんです。A社のことは覚えて
はいたんですが、まだ何も出来ていないので。。。」
上司: 「そうか。今度から約束が守れない時はお客様への連
絡を忘れないように。とりあえずお詫びをして早急に
対応してくれ。」
さて、このやりとりを聞いて皆さんはどのように思われますか?
私は、システムエンジニア向けに研修をする機会がよくあるのです
が、ITうんぬんを言う前に、まず最初に「業務設計」と「それに
もとづくレビュー」の大切さについて、じっくり時間をとって説明
することにしています。
「業務設計」とは、意味の近い一般的な言葉で言い換えれば“段取
り”です。お客様や上司から仕事を受けたら、まずその業務のゴー
ルイメージを決めます。
決められないならゴールが鮮明になるまでお客様や上司と話をしま
す。そして、すぐさま10分程度で業務をブレークダウン(作業レ
ベルのタスクに分解)します。
聞いておくことはないか、伝えることはないか、報告することはな
いか、作業することはないか、調査することはないか、交渉するこ
とはないかなどの視点でタスクを洗い出すのです。
それからタスクごとにかかる時間を考えながら、やる順番、優先順
位をつけてスケジュール化します。
さて、冒頭の田中さんですが、A社から業務を依頼された時にこれ
が出来ていたとしたらどうだったでしょう。また、上司がそれを適
宜レビューしていたらどうだったでしょう。
状況は変わっていたのではないでしょうか。
B社からの突然のクレームが入ってきた時、A社用の資料収集や調
査分析までは終わっていて、残りは資料作成だけという状態だった
ならば、100%の完成度ではないにしても何らかの形でA社への
情報提供ができたかもしれませんし、上司によるフォローも可能だ
ったはずです。
さらにB社のタスクが一緒に整理され業務設計されていれば、前日
に納入確認をしてトラブルを未然に防ぐことが出来ていたかもしれ
ません。
場当たり的な業務遂行でうまくいくこともあるでしょうが、それは
単に運次第ということであり、何のリスク管理もできていないとい
うことです。
管理職や経営者は自分の業務について業務設計するのは当然のこと
ながら、部下に与えた業務についても、まずは部下に業務設計を行
わせ、その可視化されたタスクをもとに定期的にレビューで確認し
ていくというマネジメントサイクルを作らなければなりません。
大規模なプロジェクトもこの日々の業務設計の積み重ねです。
経営者からプロジェクトをマネジメントできる人材がいないという
相談を良く受けますが、この日々の積み重ねこそが一番の近道だと
思います。
急がば回れ!田中さん。忙しくてもまずは10分間の段取りを!
急がば回れ!社長さん。座学でマネジャーの養成はできません!
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《今週のコンサルタント》
光本 茂樹(みつもと しげき)
株式会社インターメッセ 代表取締役
1967年生まれ。(株)野村総合研究所にてシステム企画・設計
業務に従事した後、(株)日本LCAにて経営コンサルティングを
行う。その後独立し、業務改革支援、ERP(基幹業務統合パッケ
ージ)導入支援、各種情報システムデザイン等の分野を中心に活動。
2002年、株式会社インターメッセ代表取締役就任。アプリケー
ションエンジニア・中小企業診断士。
《経営堂・詳細プロフィールはこちら》
《私のお勧めビジネス書》
『図解:国際標準プロジェクトマネジメント
―PMBOKとEVMS』
著者:能澤 徹 出版社:日科技連出版社
難しいPM手法を図解入りで分かりやすく説明しています。作業進
捗を金銭価値として測定するEVMS(アーンドバリューマネジメ
ントシステム)も事例で説明されており、概念だけに終始していな
いところが良いです。とはいえ、実際のプロジェクトで適用するに
は、もう少し工夫が必要だとは思いますが。
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☆☆今週のおすすめメルマガ☆☆
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《編集後記》
今週の光本氏のコラムテーマは“段取り”。…確かに1日の作業時
間は限りがありますし、仕事をする上ではとても重要なものですね。
(私も仕事の優先順位の付け方がヘタで、よく注意されますが…)
クレームが出る程の状況になったのは様々な要因があるとは思いま
すが「報(報告)・連(連絡)・相(相談)−ほうれんそう」とい
う言葉があるように、田中さんが上司に相談しなかった事は、より
深刻さを増したのではないでしょうか?上司が事情を把握している
のとしていないのでは、会社の「信頼」に大きく関わってきます。
しかしゴールイメージが描けるようにスタッフを教育するのも経営
者、管理者の役目です!とはいうものの、思うように動いてくれず?
ホラ、あなたの会社にも“田中さん”がいませんか…?(にしだ)
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